湿度計のセンサーにはいくつかの原理があり、それぞれ特長があります。

大きく分類すると、高分子抵抗式と高分子静電容量式の2種類に分けられます。どちらも湿分を吸湿・脱湿する感湿材を使用し、電極間を橋渡ししている構造となっています。現在は、高分子静電容量式が主流となっていますが、高分子抵抗式にも優れた面があります。高分子抵抗式の湿度計のセンサーは、電気信号を電気抵抗で捉えます。

構造が簡単なので、比較的安価に大量生産することが可能です。電気抵抗を測定するためノイズに強いのが特長で、そのためセンサー部の小型化が可能で、ケーブルも細くすることができます。ただし、原理上10~20%以下は測定できません。静電容量式は、電気抵抗を電気容量で捉えます。高温や低温度域での使用が可能で、低湿度測定に優れています。応答速度も速いです。

静電容量を測定するためノイズに弱く、そのためシールド性が必要で、ケーブルなども太くなります。その他に、高分子抵抗式や高分子静電容量式に比べるとまだあまり知られていませんが、MENS湿度センサーといわれるものもあります。これは、大きさが非常に小さい・感湿部が10μオーダーなので応答性が非常に速い・出力はデジタルやアナログで湿度値を直接出力・大量生産できる・回路が含まれているので、使用温度域は広くない、などといった特徴があります。すでにパソコン周辺機器や携帯電話・自動車などに組み込まれており、湿度計にはこれから期待されるセンサーといえます。

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