食品の製造工程では、従来抜き取り検査によって安全性を担保していました。

大量の完成品の中からある一定の割合で試験対象を抜き取り、検査を行います。万が一不良が発見された時には、同じ時に作られたものは全て廃棄します。この方法では、本当に全てに不良がないとは言い切れいないことやたまたま1個不良が出ただけでも全てが廃棄対象となると言うデメリットがありました。HACCPでは適切な手順を確立して、重要な部分だけを監視することで安全性を担保する方法を用います。この方法であれば全数を確認することができることと不良がある恐れがあるものだけに限定して廃棄することが可能です。

製造には色々な工程があります。材料の加工から混ぜ合わせ、調合などを順番に行なっていきます。その全てを監視する必要はなく、最も危害が大きくなる加熱殺菌のところだけが管理点です。このような方法を妥当性確認と言います。HACCPでは、正しい手順で作られたものは安全と言う考え方で、適切な作り方をしているかが監視対象です。例えば温度や時間が規定通りかと言った管理方法です。

実際に製品を検査する必要がないので、工程の流れが滞ることがありません。HACCPは従来の方法と比べて、検査によるスピードの変化がないので大量生産に向いています。ただし、直接製品を確認するわけではないので、確実な安全性を追求するために抜き取り検査を併用することもできます。コストパフォーマンスをあげるためには有効な管理方法です。

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